特定調停のデメリット
―ブラックリストに載る
債務整理を躊躇している方々に「なぜ債務整理をしないのですか?」と理由を尋ねてみると、意外に多い回答がこの「ブラックリストに載りたくないから」です。もうサラ金からお金を借りれなくなったり、クレジットカードも使えなくなったりするのが嫌だというわけです。
しかし逆に言えば「お金を借りたい!」と思っても借りれないので、浪費癖がある人にはむしろありがたい処置かも知れません。負担に思うかも知れませんが、何とか頑張って受け入れる努力をして欲しいところです。借金体質を直すことも債務整理の一環ですから。
※ なお、約7年〜10年くらい経てばまた借りれるようになるとのこと。
―保証人がいたらマズイ
あなたに保証人がいた場合、あなたが特定調停をした途端に保証人が取り立てられることになります。
もしも保証人が借金を返済できない場合には、保証人まで債務整理をしなければならないかも知れません。保証人がいる場合は、十二分に保証人と話し合って下さい。
ただし保証人がついているサラ金業者の分だけ、特定調停から外すことは可能です。
そうすれば保証人に迷惑をかけることなく特定調停できます。
しかし、そうすることで他の業者から反発され、調停自体が不成立になってしまうようでは本末転倒です。
そのあたりを調停委員としっかり相談しておく必要があります。
―平日に何度か裁判所に出向かなければならない
特定調停は任意整理と違い、弁護士の人がやってくれるわけでなく全て自分でやらねばなりません。 話し合いは1社につき30分で済む時もあれば、1時間以上かかることもあります。この話し合いは各サラ金業者ごとにする必要がある為、1日つぶれると思っておいた方が良いでしょう。
とは言っても、最近はサラ金業者と直接顔を合わせずに、代わりに調停委員が間に立って交渉してくれることも多いようです。これは調停委員の判断によるところが大きいのですが、債務者が変に萎縮してしまうことを防ぐための配慮です。
裁判所は平日しか開いていない上に、話し合いは1ヶ月に1回程度です。「その日はどうしても仕事を休めないんですよ・・・」なんてことがあると、合意が成立するまで相当な期間を要します。
何度か仕事を休んでも大丈夫かどうか、それを念頭において特定調停を進めて行く必要があります。
―支払いが滞ってしまうと大変なことに
特定調停は任意整理と違い、裁判所が判決を下すわけです。裁判所が「あなたはこれから毎月サラ金業者○○に、○○円支払うこと」と言ったら、それはもう絶対にその通りにしないといけないのです。(実際には「調停調書」というものに記載されている)
今月ちょっと苦しいので、来月まで待ってもらえませんか?・・・なんて言語道断。そのような事態に陥ってしまったら、一括返済を求められたり、給与差押え等の強制執行手続をされることもあるのです。(法律的にそうしても良いとされている)
特定調停を行う以前よりも、苦しくなるかも知れません。無理のない返済プランにすることが最も重要です。調停が成立したからといって安心せず、その後の返済期間(3〜5年)は絶対に支払いが滞ることのないようにしなければなりません。この辺はかなり気を遣って慎重に行きたいところです。
―そのままでは過払い金がもらえない
特定調停の場合、そのままでは過払い金の回収ができません。過払い金を取り戻したい場合は、調停の申立てを取り下げて訴訟を起こす必要があります。
しかし、通常7〜8年以上の返済期間があるような場合でないと過払い金は発生しませんので、そこ4〜5年しか経っていない方なら特に気にする必要はありません。