自己破産のデメリット
普通、自己破産というと相当暗いイメージを持ちます。戸籍に記載されたり、子供の進学に影響が生じたり、近所の人達にバレてしまったりしたら・・・どうしよう!なんて考える人も大変多いです。しかし、実際には、戸籍に記載されることも無ければ、子供の進学にも影響は無いんです。近所の人達にもバレません。
それから家財道具に「差押え」と書かれた赤紙が張られてしまうこともありません。生活する上での必要最低限の家財道具は差し押さえしてはいけないという法律があるのです。現金もまた、99万円以内なら取られません。つまり、ある程度は今まで通りの生活ができるのです。
(さすがに差押禁止財産ではない家具や電気製品は破産財団に取られてしまうこともありますが、それらを家族が買い戻すことも可能です)
自己破産は「自己破産開始決定」で始まり、いろいろなデメリットが発生します。そして約半年後(場合によっては前後します)の「免責決定」で借金がゼロになり、様々なデメリットも消えます。そうやって自己破産は終了するのです。
以下に自己破産をした際の様々なデメリットを記載致しますが、これらのほとんどは免責決定と同時に復権します(無かったことになります)。
―引越しする時は注意
もしもあなたが一定の財産を持っており破産管財人が選任されることになった場合、あなたは裁判所の許可を得なければ引越しはおろか、長期的な旅行をすることもできません。(短期間の旅行ならOK)
とはいえ、大抵の場合はちゃんと許可を出してくれますので特に問題にはなりません。なお、このデメリットは免責決定と同時に復権します。
―郵便物が開封される
これもまた破産管財人が選任された場合のデメリットですが、破産管財人が選任されると一旦郵便物は破産管財人のところに届けられるのです。
そして破産財団に関係ないもののみ、受け取れます。逐一破産管財人に郵便物をチェックされる、というわけです。なお、このデメリットは免責決定と同時に復権します。
―いくつかの資格制限
自己破産をすると資格に制限がかかります。例えば弁護士や司法書士、税理士、さらには会社の役員の資格を失ってしまいます。自己破産開始決定から免責決定(※1)までの約半年間は、株式会社の取締役・監査役、警備員等(※2)の一定の職業に就くことができなくなります。
そのため、その職業に従事している人が自己破産する場合は、一旦その職業を辞めなければならないのです。(もしくは休業)
なお、このデメリットは免責決定と同時に復権します。つまり、自分の望む職業に自由に就くことができるのです。
―会社を解雇される可能性
自己破産をしても会社を辞める必要はありません。ただし、貸金業者からの「給与の差押え」により、勤務先に自己破産の事実を知られてしまうことは可能性として有り得ます。その結果、退職を迫られる可能性も否定はできません。
―マイホームを手放す必要性
自己破産をすれば、マイホームは処分されてしまいます。どうしてもマイホームを手放さずに債務整理を行いたい場合は、個人再生を検討するしかありません。
ちなみに自己破産を申し立てても、すぐに引越す必要はありません。破産管財人が住宅を処分するまでの数ヶ月間は今までのように普通に住み続けることが可能です。
―ヤミ金業者が勧誘してくる
自己破産するとブラックリストに載ると共に、国が発行する「官報」という新聞(のようなもの)に名前や住所などが掲載されてしまいます。しかしこの官報は一般の人が見るものでは無いので、友人・知人に知られる恐れはありません。
・・・が、ヤミ金業者はしっかり見ています。何故かというと、自己破産した人達はブラックリストに載るのでなかなかお金を借りれません。ヤミ金業者は、そこにツケ込みたいのです。
「お金借りれないで困っているでしょう?」と言って、高金利の借金を背負わせようとしてくるのです。万が一、ヤミ金業者からお金を貸してやると言われても、その甘い誘惑には絶対に惑わされないようにして下さい。せっかく自己破産したのに前以上に苦しい生活を送ることになりかねません。
―保証人がいたらマズイ
あなたに保証人がいた場合、あなたが自己破産をした途端に保証人が取り立てられることになります。
もしも保証人が借金を返済できない場合には、保証人まで債務整理をしなければならないかも知れません。保証人がいる場合は、十二分に保証人と話し合って下さい。
―自己破産のデメリットまとめ
以上、数多くのデメリットを記載致しましたが、免責決定と共にそのデメリットが解消されるといったものも少なくありません。従来のイメージのみに囚われず、自己破産に対する理解を深め、適切な行動を取るよう心がけてください。