特定調停とは?
特定調停とは、任意整理と似たような制度です。ただし任意整理は弁護士に依頼すればあとはお任せで結構ですが、特定調停の場合はあなた自身が裁判所の調停委員と話を進めていかなければなりません。
また、任意整理はサラ金業者と直接交渉を行いますが、特定調停はサラ金業者との間に裁判所が入ります。
―基本的には弁護士に依頼せず、自分一人で申請する
特定調停は、他の債務整理の方法と比べると断トツで費用を安く抑えられることが特徴です。その理由の1つとして、弁護士に依頼せずに自分一人で申請しても成功しやすい、という理由があります。
申請の手続きや必要書類の記入方法は、裁判所の「調停委員」の方がサポートしてくれるので、全く初めての方でもある程度は何とかなるのです。
しかしながらある程度の勉強は必須です。軽く考えて本当に何も知らずに行ってしまうと、最初の提出書類のところで頭を抱えることになります。
―特定調停が成功しても油断は禁物
上手いこといって特定調停が無事に成立しても、安心はできません。調停が成立すると調停調書というものが作成されます。「毎月いくらいくら支払って、何年以内に返しなさいよ」という内容が記載されているものですが、実はこれには判決と同じ効力があります。
つまり、絶対に守らないといけないものなのです。もし守らなかったら、サラ金業者がすぐに給与の差押えをしてきます。調停調書がある以上、基本的にこの差し押さえは防げません。強制執行です。(※1)
調停が成立しても、その後の返済期間(3〜5年)は絶対に支払いが滞ることがないよう注意しながら生活する必要があります。
- ※1
- 但し、ある一定の要件(調停成立の見込みがある等)を満たしていれば、強制執行手続きを停止できる場合があります。また、給与の差し押さえの強制執行とは言え、法律上差し押さえができるのは給与の25%のみです。
- (例) 月給(所得税等の税金を差し引いた手取額)が20万円の場合、15万円が差押え禁止。
- 20万円−15万円=5万円で、実際に差押えされる額は5万円のみということになります。
- 給与の差し押さえといっても、20万円全部取られてしまうわけではないのです。